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製品コンセプトとSブランドへの過信があったというしかない。
別の見方をすれば、Sには値を下げるだけの余地がなかったということでもある。 独自性とブランドカで、他社の同種商品よりも高い価格で売れる。
それがSのビジネスモデルの核心であった。 「V」の敗北は、そのようなモデルがもはや通用しないことを明白にしたと言わねばならない。
問題の深刻さは、この傾向がパソコンだけにとどまらず、デジタル家電全体に拡がろうとしていることである。 このような急激な異変に対して、大企業病に冒された組織の対応は緩慢である。

「S・ショック」が単なる業績不振にとどまらず、企業不信を招いたのは、大幅な業績の下降が予想されたにもかかわらず事前に下方修正を一切しなかったことによる。 大幅な業績変更の事前発表は、東京証券取引所の規約にもある。
なぜ、このような基本事項を怠ったのかは現時点でも不明であるが、真相は、業績の予測が基本目標:営業利益率10%以上を達成到達目標時期:2007年3月末序章神話企業病Sの復活シナリオ『トランスフォーメーション60」の骨子モノづくりからの離陸「S・ショック」を契機として、Sは中期経営革新計画とも言うべき「トランスフォーメーション」を発表した。 創業帥周年を迎える2007年3月期に、Sは欧米の優良企業に見劣りしない高収益企業に生まれ変わると宣言したのである。
具体的な目標は、営業利益主要施策固定費を3300億円削減主要施策:@従業員を2万人削減。 (国内は7000人を予定)国内ブラウン管テレビエ場の閉鎖製造、物流、サービス拠点を3割削減部材納入業者の集約および部品品種削減で材料費を年15%圧縮。
グループ半導体事業の統合「CELL」等の半導体開発に5000億円を投資つまり「二十世紀」型の「モノづくり」をコア事業にしていると、利益率が低下するのは当然であり、これに危機感を待たなければ「利益率の低さにS社員が慣れきってしまっている」というのは当然の帰結ということになる。 つまりI氏は、高収益の見込める分野に事業構造をシフトさせなければ、Sの将来はないと考えているに違いない。
そのシフトの方向が次の言葉に窺える。 二十世紀末から普及し始めたデジタル技術・ネットワーク技術が、「モノづくり」中心の産業構造に革命的変化をもたらそうとしています。

(中略)CDプレイヤーやビデオデッキのような従来型のパッケージメディアに特化した再生装置は時代遅れになる可能性が高いのです。

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